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    投票の社会学 

     日本の若者の投票率って結構低いと聞きますが、実際どうなのでしょうか。各国の若者について調べ比較してみます。若者の年代を20~30歳と仮定して、投票率を国ごとに大雑把な数字で見てみるとイタリアは90%、フィンランドは60%、英国は50%、日本は45%、ロシアは40%です。(日本の年代別分布表はこちら)イタリアの投票行為は、罰則はないものの、法上義務制となっています。このことから90%という高い数値を出していることがわかります。ちなみにオーストラリアは義務制で罰金があります。そのため若者の投票率もイタリア並みであることが想像できます。義務制を採用していない国々では総じて若者の投票率が低いようです。そしてこれら先進国は高齢化社会を迎える国々が多いため、相対的に若者の投票率も次第に下がる傾向にあると思われます。

     しかし、投票が困難な状況にある(中東など)・国家の圧力がある(中国など)国でも皆政治には強い関心を持っているようです。投票をしたいと思う気持ちを持ちながらも現存の政治体制に強い反感を持ち、距離を置いて傍観する者もいます。とりわけ政治家と若者の距離は遠いものであり、若者が声を上げても(声を上げてみましょう、話を聞いてみましょう。こちら)政治家には聞く余裕もなく、大々的なデモをしない限り実質的なリアクションは起こりません。むしろ先進国の政治家は20代や30代の投票率の低い若者層よりも、投票率の高い高齢者をターゲットとした人気とりの政策策定に奔走するのでしょう。それは高齢者の比率の多い国であるので、ある意味合理的な動きであるのでしょう。しかしそのような守りの立場に立つ政策は国力を疲弊させる上、若者の関心の方向にずれが生じる可能性もあるのではと危惧します。

     さて、若者のこの伝統的な政治体制に対する不満は積もる一方です。今の政治体制では影響力が十分でない、信用できない、国民の意見に反応も起こさない、力もなければ政府の政策運用も遅い。それならばこんな古い体制は壊して、影響が素早く国民に反映できる政治体制をつくってしまおうとする革新的な発想になるわけです。これは社会主義の影響圏にいる国々だけでなく、民主主義国家の中でもこうした動きがあります。私のオーストラリア人の友人は「民主主義の伝統的な習慣よりも、信頼できるものをトップに据えた独裁政権のような運用能力の素早い政治体系にした方がいいのかもしれない」と真顔で語っていたのを聞いてぎょっとしてしまったことを覚えています。

     世の中の素早い変化を求める人々はどう行動を起こすのでしょうか。それは情報の共有(ブログやtwitterfacebook、フィンランドででは若者のための政治的な課題を議論するコミュニティがいくつかあります。)やデモンストレーションなどのactivism(日本語に置き換えづらいです。ちなみにStudent activismは学生運動です。)でしょう。情報と人を集める(1日2万人以上集める経済学者ブログ)にはインターネットが不可欠であることから、このような行動が起ることに神経を尖らせる政府がすることは情報統制です。そのため新興国のロシアや中国では報道規制、盗聴、ウェブサイトに対する強い規制などがあります。中国では現在YoutubeやFacebookは完全停止状態です。行動を主導する若者たちには大抵そういったこと政府の意図を理解していますが、政治デモの主導者には厳しい刑罰が科されています。確かに刑罰のような恐怖は人の行動を統制しますが、それ以上の信念を持つ人々は、それが原動力となり積極的に活動を起こします。昨今のような不安定な世の中、信念の持ち方は人それぞれですが、間違った信念(新興宗教・原理主義)を持つ人々が現れるのもこの時期ですから、それを間違っているのか間違っていないかを見極めるのは国民です。そしてその手段はactivismであり、投票行為でもあるのでしょう。
     

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